【幅35×奥行25×高さ20cm 素材:紙】
水紋のように、くり抜かれた本のページからいくつもいくつも立ち上がって来る猫たち。本の中に満ちている夢や希望が招き猫のかたちになって実体化し、やがて読んでいる人自身の夢となって歩き出す。そんなファンタジックな世界を見せてくれる作品。読書の楽しさ、夢を持ち続けることの大切さなどが伝わって来る。ベースとなった洋書の選択、猫の配置、色遣いなど、何気ないようでいて非常に洗練された造形表現である。紙という軽やかな素材で「招き猫」の表現の多様性を感じさせてくれた。
「本の中にはたくさんの夢や希望、冒険が詰まっています。
その本を読んだ時のワクワクした感情を発掘するように、本を彫ってみたいと考えました。」
主に切り絵の画法で猫というモノを描く。紙を切るというシンプルな技法で、どこまで猫のしなやかさ・美しさが表現できるか、試行錯誤の日々だけれどそれが楽しみでもあるのです。そして時折、紙に「ことば」も刻みます。日本の文字は美しい絵であり、大事に残してゆきたいモノです。生きている猫と文字を、意思を持った猫を、物語のある猫たちを、作ってゆきたいと思います。
滋賀県東近江市
招き猫まつり、イベント、グループ展多数参加
以後、紙に関わった作品を作り続け、現在に至る。
著書「うそうそ時にその猫はやってくる」戎光祥出版より2004年刊行
「京ことば猫トランプ」2006年刊行
会期:2016年9月24日(土)~10月2日(日)*9/27(火)休館
開館時間:10時~18時
会場:瀬戸市新世紀工芸館展示棟2階