作品No.037
猫曼荼羅(にゃんだら)
幅52×奥行4×高さ60cm
約600年前(室町時代)にとある経本集が作られました。
それはそれは大切に継承され、300年前には大修理もされ、平成の世にまで伝わったのです。その経本が、近江の伝統工芸師の手によって解かれ、漉き改められ、和紙として現代に転生しました。古の原料のみで作られた現代の紙、古くも新しきものが縁あって我が手元にやってきたのです。微力ながら、この紙をさらに昇華させる手伝いをしたいと思い、曼荼羅づくりに取り組んでみました。
松風直美
Naomi Syoufu

カミ(紙)のモノツクリ。

紙と遊び、紙と語りながら制作を続けています。自分の中にある色々なものを絵
や言葉につづり、「ことば切り絵」として形にするのはとても楽しい作業です。
猫を描きながらも、実はそれは自分の分身だったり友人だったり見知らぬ誰か
だったり…猫であって、人であって、モノでもある。見る時々によって色々な気
持ちで受け取れる、そんな万華鏡のような作品を作ってゆけたらと思いつつ、紙
を切る毎日です。
意思を持った猫たちを、これからも表現してゆきたいと考えています。

ことば切り絵が心の栄養ドリンクになってくれればいいなぁ…
1990年 デザイン会社勤務を経て独立。以後フリーランス。デザインとイラスト制作に携わる
1992年 イラスト・切り絵作家として、工芸村「ことうヘムスロイド村」に参加
ギャラリーCASA個展(京都)この頃から猫の作品を作りはじめる
1995年 招き猫をモチーフに切り絵、石粉人形等の制作を開始
1998年 自宅隣にアトリエを開設
1999〜2003年 近江文化財研究所 個展(近江八幡市)
2000〜2003年 いい福まつり 個展(彦根市)
2000〜2004年 ギャラリー猫町 個展(東京)
2001年 ホームページ開設
2003年 アトリエ隣にギャラリー松庵オープン
猫と美食のイベント「猫の宴」開催
2004年 ギャラリー花信風 個展(所沢)
招き猫まつり、イベント、グループ展多数参加
以後、紙に関わった作品を作り続け、現在に至る。