水野教雄 作 「練り込み陶箱招き猫」
●水野教雄さん大賞受賞にあたって
 日展会友であり数々の大賞受賞歴がある水野教雄さんは、古く中国から伝わった練込み技法をベースに、瀬戸の土で確固たる作風、地位を築かれた、名実共に瀬戸陶芸界のリーダーです。
 しかし一般的には、これほどまでの肩書きをもった方は前衛的であったり、抽象的であったりする、いわばオブジェ的なアート作品が多い中、招き猫という親しみ易いテーマにここ数年取り組んでこられた結果、瀬戸陶芸の技との融合で、今回の作品はその集大成ともいうべき今後の瀬戸の地からの可能性を予感させる作品となりました。
 愛・地球博のサブテーマ「人生の“わざ”と知恵」ART OF LIFEを1,300年のやきものの歴史の中で名実共に育んできた瀬戸の今後に、大きな期待をしたいと思います。
鈴木 政成(平成の招き猫大賞 審査委員長)
●受賞のことば
水野教雄 Norio Mizuno

これまで作った招き猫は全て練り込み技法を使って作っています。練り込み技法とは、古く中国の唐代から始まる技法で全体にある模様は書いたものではなく、金太郎飴の様に白、茶、黒等、様々に発色する粘土を組あわせて、模様を作りそれぞれを作品にしたものです。今回受賞した招き猫は、飾るだけではなく(水盤とか物入れにも使えるように)用を兼ね備えた作品を作りました。
 大賞作家・水野教雄さんの個展は「第10回 来る福招き猫まつりin瀬戸」期間中の2005年8月6日・7日の両日、愛知県瀬戸市の新世紀工芸館のギャラリーで開催しました。