松本浩子[人形]
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吉田一也[陶器]
松本浩子 歴史や文化が大切に受け継がれている古都金沢で、愛猫たちに囲まれて暮らす松本浩子さん。郷土玩具や季節の和菓子、海辺で拾ったシーグラスや流木など、お気に入りのモチーフを取り入れて、一体一体丁寧につくられる小さな猫のお人形たち。今回は「伊勢もめん」の着物を着て、おかげ横町をそぞろ歩く猫たちの作品も出展されます。普段は日本伝統の色や文様で絵付けをしたり、蒐集した時代裂を使って作る衣装ですが、素朴な「伊勢もめん」を手にして、次々にイメージがふくらみ、楽しんで制作されたとのこと。ご期待ください。
金沢在住 学生時代に彫塑・日本画の基礎を学ぶ
1986年 粘土の自在さに触れ、身近な存在である猫を主なモチーフに人形制作を始める
1989年 ニッケこるとん銀花(現galleryらふと)にて初個展『猫づくし展』
以後、個展を中心に企画展・ジョイント展などで作品を発表

 
その時その時で変わる猫の耳の形や口元の表情、後ろ頭の愛らしさが好きという吉田さん。自分が心惹かれる猫の姿を、白荒土の色をそのまま活かした白い肌や、釉薬を使った艶めく瞳など、独自の技法で魅力的に表現されています。
近頃は、最初から何かに導かれて猫を創ってきたような気がして、京都に生まれ育ったことに意味を感じるそうです。ちなみに、京都・二ノ瀬にある吉田さんの工房は、貴船神社の竜穴からつながる龍脈=龍の道の上にあるとのこと。やはり、千年の都には底知れぬ不思議な力があるのかもしれません。
吉田一也
1970年京都生まれ、
京都市立芸術大学にて日本画を学んだ後、1999年、鞍馬に窯を建て、独学にて制作をはじめる。